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この「Soul Musicを聴こう」を年内で終了するにあたって、どうしても触れておかなければならない楽器がある。
この楽器の奏で出す「甘やかな音色」は、数々の70年代Soul Musicにおける珠玉の名曲たちを彩り、その曲たちのもつ美しさを最大限に際立たせた。 Fender Rhodes Pianoがその楽器である。 Rhodes Pianoの発音のメカニズムはいたってシンプルであった。鍵盤が押されると、音叉に似た働きをする鉄製のトーン・バーをハンマーがたたき、その振動をピックアップが拾って電気信号に変換するというものである。 エレクトリック・ピアノと呼ぶにはあまりにもアナログであったといえる。そしてその音色たるや、とりとめもなく柔らかで官能的でさえある。 以前ご紹介した、Noman Connorsによる「Betcha By Golly Wow(1977)」の後半におけるフルートと絡み合うRhodes Piano。 Minnie Ripertonの「Inside My Love(1975)」で垣間見る、最後のリフレインに向かうところでの聴くものの心を歪めるRhodes Piano。 「Just The Two Of Us(1980)」におけるRichard Teeによる、アルペジオだけで聴くものを引きずり込むRhodes Piano。 これらの曲だけでなく、Soul Music の世界においてRhodes Pianoの存在なしでは語ることの出来ない曲たちが本当に多い。 Isley Brothersの「Make Me Say It Again Girl (1975)」に目を閉じて触れてみて欲しい(できればヘッドフォンをして)。私はこの曲と触れるときに、耳が自然とChris JasperのRhodes Pianoを追いかけてしまう。 この曲のなかで奏でられるRhodes Pianoの音色のもつ「甘やかさ」が細胞の隅々まで行き渡り、聴いていると段々と心がけだるくなっていく。 Rolandの技術者が「Fender Rhodes Pianoの音をデジタル化して再生させるのは難しい。というよりも不可能だ。似たような音は出せるかもしれないが。」といっていたのを、工学系の雑誌で読んだことがある。現代のデジタル音源では、「のような音」は再生できても肝心な「甘やかな音色」を奏でることは到底無理なようである。 だから70年代Soul Musicは美しいのである。 次回は、カウントダウン5 「『After The Dance』というLove Song」について紹介します。
by show-zono
| 2004-11-16 21:54
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Comments(11)
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hardline1971 at 2004-11-17 17:58
こんばんは。
どうして、(わたしにとって)現代の音楽より、70年代の音楽に 感動してしまうのか、その理由のひとつが解明されたような気がしました。 いまの音楽を否定するわけではないのですが、どうしても、 「途轍もない差」を感じてしまうものですから‥ そうですか、音色が生きているのですね、あの頃の音楽たちは。
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show-zono at 2004-11-17 23:32
hardline1971さん、コメントありがとうございます。
テクノロジーの発達がもたらす「不幸」のひとつですね。 >「途轍もない差」を感じてしまう>hardlineさんの感性はとても 正しいものといえるのではないでしょうか。
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blue_koichiro at 2004-11-18 13:40
Rodesが使われた名曲は本当に多いですよね。
ソウル以外にも沢山ありますし。 Billy JoelのJust The Way You Areなんてその代表曲かも知れません。ワタクシにとってRodesと聞いて絶対切り離せないプレイヤーにRichard Teeがいますね。彼のRodesのサウンド、奏法は特別だと思ってます。
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show-zono at 2004-11-18 22:07
koichiroさん、コメントありがとうございます。
おっしゃるとおり、Billy Joelの「Just The Way You Are」やHall & Oatsの「One on One」など、Soul Music以外でもRhodes Pianoなしでは語れない曲は確かに多いですね。 使い手として一番に名前が挙がるのはやはりRichard Teeかもしれません。「Just The Two Of Us」での 彼のRhodes Pianoは圧巻としか言いようがありません。
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sugar_pepper at 2004-11-19 19:49
お、そろそろ追い込みのスイッチが入りましたか。(笑)
あの柔らかな透明感のある響きは、その音だけで聴いている者を黙らせてしまいます。 「Fender Rhodes PianoはSoulをより深く美しいものにするための魔法の楽器」です。 ここにあげてらっしゃる曲はどれもRhodesの存在を外せない曲ばかりですね。 特にIsley BrothersのSlow Jamにこの音というのは。。。 僕の中では反則レベルです。似合いすぎてて言葉が出てきません。 あの音は人によってはどんな風に聴こえるのでしょうね? 僕には、あの音の中にどこか凛としたものを感じてならないんです。 Soul以外でもありますね~。 Billy Joelの「Just The Way You Are」も然り。 僕個人としては10ccの「I'm Not In Love」なんてとても好きですね。 あの深い霧を思わせるRhodesの音がなんとも言えません。 「Fender Rhodes Pianoは音楽をより深く美しいものにするための魔法の楽器」 と言い直した方が良さそうですね。 現代のデジタル音源では再生できない、この貴重な音。 やっぱりSoul Musicもそれ以外の音楽も、70年代って最高です。 絶対やめられません。僕は。
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show-zono at 2004-11-19 23:54
sugar_pepperさん、コメントありがとうございます。
>お、そろそろ追い込みのスイッチが入りましたか。(笑) もう、お遊びはしませんので(笑)。次回以降も。 Fender Rhodes Pianoを語らずして終われるかい。。と思っての今回のポストでした。とかく「演奏自体が下手」といわれるIsley Brothersですが、果たしてそうなのでしょうか? いつでも勝負してやりますよ。そういう評論家という輩とは。 Soul以外でも、当時はFender Rhodes Pianoはよく使われていましたね。10ccの「I'm Not In Love」はRhodesだけでなく、モノフォニックシンセの使い方も素敵な曲ですね。私のワイフは「I'm Not In Love」が大好きなのです。 >「Fender Rhodes Pianoは音楽をより深く美しいものにするための魔法の楽器」 ・・・まさにです。・・・ テクノロジーの進化が必ずしも人間を幸せにしないことを証明するのがFender RhodesやMoogといった楽器ですね。 70年代のSoul Musicが美しいわけです。
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400tourer at 2004-11-20 01:42
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show-zono at 2004-11-20 18:45
400tourerさんがおっしゃる通り、Rhodesはコーラスやフェイザーのようなイフェクターをかけることで、また違った表情の「音色」を奏で出しますよね。
「Just The Two of Us」のアルペジオなんてかなり「音」を回転させて、リリックのなかの「Raindrop」を連想させるという「大技」を披露しています。
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blue_koichiro at 2004-11-22 11:16
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show-zono at 2004-11-23 15:24
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show-zono at 2005-05-01 00:28
いちソウルファン様のおっしゃるとおり電気ピアノというものは、そういうものですよね。(笑)
私がここであげている「エレクトリック・ピアノと呼ぶにはあまりにもアナログであったといえる」というくだりの「エレクトリック・ピアノ」に関してはおっしゃているピックアップ方式の「電気ピアノ」とデジタル音源方式の「電子ピアノ」の双方を含んでおります。 誤解を与えた表現に対しお詫び申し上げます。
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