メモ帳
以前の記事
2007年 08月 2007年 07月 2007年 06月 2007年 05月 2007年 04月 2007年 03月 2007年 02月 2007年 01月 2006年 12月 2006年 11月 2006年 10月 2006年 09月 2006年 08月 2006年 07月 2005年 06月 2005年 05月 2005年 04月 2004年 12月 2004年 11月 2004年 10月 2004年 09月 2004年 08月 2004年 07月 2004年 06月 2004年 05月 2004年 04月 2004年 03月 2004年 02月 その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
すべてのSoul Musicの最高峰といえるアルバムは、Marvin Gayeの「I Want You(1976)」であると私は思っている。私にとってこの事実は疑いようもなく、今後も変わることはないだろう。
以前にも触れたとおり、この「I Want You(1976)」をプロデュースしたのがLeon Wareである。Leon Ware自身も素晴らしいアーティストでありながら、「最高の」という形容詞よりもある意味「崇高であり奇異」なプロデューサーといえる。 彼の創る曲は展開が予測できない。というのは彼自身の感性がSoul Musicマナーに完全に反しているからだ。難解であるという理由から敬遠されることもあるが、とにかく彼の世界観は掛値なしに美しい音楽を奏でる。 今回は彼が他のアーティストに提供した曲の中でも、とりわけLeon Wareの世界観が如実に映し出されている作品たちについて紹介したいと思う。 Minnie Ripertonの「Adventures In Paradise(1975)」に収録されている「Inside My Love」である。Leon Ware自身も彼のアルバム「Inside Is Love(1979)」でセルフカバーをしているが、聴くなら有無もなくMinnie Ripertonのほうをお奨めする。LeonWareはなぜか他人に歌われて花開くことが圧倒的に多いからだ。 Minnie Ripertonはガンのため1979年に亡くなった非常に短命な女性Soul シンガーである。評論家はとかく彼女の5オクターブの発声に着目したがるが、私に言わせれば「聴きが足りない」といえる。(久しぶりにこのフレーズを使います。)Minnieは類稀な「命をすり減らしながら唄う」女性Soul シンガーであったからだ。5オクターブの声がでることで良いSoul シンガーになれるのだったら、そのへんの音大の学生でもなれるんじゃないか。ろくに音楽の本質を見極められないで評論を生業とする人間が多いが、私はそういう人たちに猛省を促したい。 話が横道にそれて申し訳ないが、「Inside My Love」で皆さんに是非触れていただきたいのが、Minnie の歌声だけでなくその演奏である。The Crusadersによる演奏だが、特にベースのGroovingはすさまじいものがあり、この曲の持つ全体的な静けさと激しさの双方を際立たせている。曲調は完全なLeon節といっていいのだろう。最後のリフレインに向かう手前のFender Rhodes Pianoのソロは何度聴いても心が歪む。 Syreetaの「One To One(1977)」に収録されている「I Too Am Wanting」である。このアルバム全体がLeon Wareによるプロデュースであるが、特に「I Too Am Wanting」はLeon の世界観がはっきり反映されている美しい曲である。Tamlaレーベルからリリースされているこのアルバムの演奏メンバーは「I Want You(1976)」、「Musical Massage(1976)」とほぼ同じメンバーである。TamlaによるストリングスとSyreetaの真摯な歌いかたがこの曲全体の美しさをを限界まで高めている。 CD化されていない為、わりと知られていないがCon Funk Shunの「Burnin’ Love(1986)」に収録されている「You Make Me Wanna Love Again」である。Leonを良く知る方なら、曲を聴くだけでLeonによるものということに気づくだろう。とかくこの時代の音色は聴くに堪えないものが多いが、曲の美しさが完全に勝っているために、この曲は現在でも充分聴くことができる。最後のリフレインに向かうブリッジの部分ではMicheal Cooperのこの曲に対する理解度の高さが感じられる。Leon Wareらしいとにかく美しい曲である。 ほかにもShadow やMelissa Manchester、Nancy Wilson & Ramsey Lewes 、80年代以降もLoose Ends 、Mica Paris 、Omar、Maxwellなど数多くのアーティストを手がけておりLeon Ware特有の世界観を展開している。 皆さんのなかでも、ある程度Soul Musicを一周されて聴かれたかたは、Leon Wareの一次元高い世界観に触れてみてはいかがだろうか。 次回はギアチェンジをしてEl DeBargeについてご紹介します。
by show-zono
| 2004-04-20 23:50
| Soul Music
|
Comments(15)
「奇異」って表現は多少言葉は悪くとも、言い得て妙でもあると思います。正直、最初にリオンの作品を聴いたときは耳慣れない独特すぎる曲調にとまどいましたからね。ただ、その分中毒性は抜群(笑)
ちなみにリオンがらみで最近のお気に入りは84年のTeena Marie"Starchild"に収録の「My Dear Mr Gaye」です。
0
Commented
by
show-zono at 2004-04-21 10:01
Teena Marieといえば、80年代にRick Jamesのプロデュースなどで話題を読んだ、ブルーアイドの女性シンガーですよね。「My Dear Mr Gaye」という曲は聴いたことがないです。早速チェックしてみます。Leonによるもので他にGingerさん一押しのものが他にあれば情報をください。
Commented
by
400tourer at 2004-04-23 01:01
ミニーと言えば、LOVIN' YOUなんでしょうね。15年位前はCDも
アナログも廃盤だったので、中古でPERFECT ANGELを4,000円 くらいで買ったような覚えがあります。 「Inside My Love」って持ってないんですよ。 よさそうですねえ。The Crusaders、大好きなもので。
Commented
by
show-zono at 2004-04-23 09:53
400tourerさんはThe Crusadersファンでいらっしゃるということなら、なおさら「Inside My Love」は聴いてみてください。演奏で鳥肌が立つくらいですから。
Commented
by
oremama1618 at 2004-04-23 15:37
はじめまして。いつも楽しく拝見させていただいております。
辛口コメントが清々しいです。 特にIsleyの時は、ああ日本でもちゃーんと評価してる人はしてるんだ!と思ったものでした。 さて、僕の場合Leon Wareといえば、一番すきなのは、Quincyの作品に入っている「If I Ever Lose This Heaven」です。 あのサビの進行、どう考えても彼にしか思いつかない進行だと思います。あれこそ彼のオリジナリティの極みかと思っています。 今後も楽しみにしております。
Commented
by
sugar_pepper at 2004-04-23 20:46
はい、中毒患者のひとりです。
もう...たまらんですよ。他にいませんしね、こういう世界を創り出す人。 Marvin Gayeの「I Want You」は僕にとっても最高峰のアルバムですし、Leon Wareの世界への入口でした。(そこから中毒患者への道が決定した) show-zonoさんがここで紹介されている曲はどれも大好きです。 Minnie Ripertonの「Inside My Love」でのベースなんぞは、聴いていると頭の中がぐるんぐるんしてきます。 あのうねりで。(あれっ...僕...重症ですか?ひょっとして) 以前にもコメントさせていただきましたが、Leon WareのSoul Music界における貢献度は半端じゃないです。 僕はこの人がいなかったら、これほどSoulにのめり込んでいなかったかもしれない。(いや、いなかった。きっと。) ところで、どうしてもお聞きしたいのですが...Shadow ってどうなのですか? アルバムのCD化という淡い期待を胸にずっと待ち続けているのですが、もはや限界が近そうです。 確か3枚ほどありますよね?Leon Wareプロデュースのものが。 どなたか、聴いていらしたら教えてください。是非。
Commented
by
show-zono at 2004-04-24 01:00
Oremama1618さん、コメントありがとうございます。
「If I Ever Lose This Heaven」ですね。もとは Average White Bandのものがオリジナルのようですが やはり、平均的な白人ということで演奏スキルに問題が あり、曲が素晴らしいだけに残念に思っていました。 Quincyのアルバムもそうですが、さまざまなSoulの アーティストがカヴァーしていますので「If I Ever Lose This Heaven」の持つLeonの世界観を味わう ならそちらのほうがよいでしょうね。
Commented
by
show-zono at 2004-04-24 01:10
Sugar_pepperさんも私と同じ中毒患者さんですね。
わたしにとってもLeon Wareは特別なアーティストの ひとりで彼がいなかったら、ここまでSoul Musicに のめりこんでいなかったかもしれません。 彼のもつ世界観は本当に「奇異」で誰にもまねができま せん。そういう意味では本当にかけがえのない存在と いえるでしょう。 ShadowはOhio Playersのメンバーのうちの3人で結成されて いたらしく、Leonのプライベート・プロジェクトであったと いうことなんですが、いまだCD化がされておらずおそらく 今後もされないでしょう。実はわたしも聴いたことがなく 内容について詳しくは知りません。 リリース等の情報があれば必ずSugar_pepperさんにも お伝えいたしますね。
Commented
by
Ginger
at 2004-04-24 21:20
x
「If I Ever Lose This Heaven」の初出はクインシーの"Body Heat"('74)だと思います。AWBの" Cut the Cake"は75年ですので。どうでもいいって言えばどうでもいいんですが(^^; この曲は今のところNancy Wilsonがカバーしてるのが一番好きかな。 G.C. Cameron もやってるらしいのですが、これは聞いたことがないので、ものすごく興味があります。
Shadowはメロウでいいですよ~。ちなみに3枚アルバムを残してますが、最初の一枚ではリオンは絡んでません。2nd、3rdは80年、81年という時期もあり、好みの分かれる音ではありますが、曲的にはもろリオンの世界観が出ていると思うので中古盤で見つけたら是非。
Commented
by
show-zono at 2004-04-24 21:45
失礼しました。Body Heatのほうが先だったのですね。
Shadowについては確かにElektra時代のものなので 好みの分かれるところかもしれませんね。 (Leonの「Rockin' You Eternally」あたりのもの なのでしょうか。 )まあ、それでも信者必須アイテムで あることには変わりはありません。 わたしもまたアナログもので探すことにします。
Commented
by
sugar_pepper at 2004-04-25 16:03
んん~、やっぱ無理ですか...ShadowのCD化は。でしょうね~。
「Shadowはメロウでいいですよ~。」 ...ますます聴きたくなってきた。 Ginger さん、貴重な情報をありがとうございます! 80年、81年というと確かに微妙な時期ですね。 でも曲にLeon Ware色が出ているということでしたら、聴く価値は充分です。(そこが知りたいところでした) show-zonoさん同様、僕もそろそろ観念してアナログを探してみようかな... Leon Wareのプライベート・プロジェクトで、演っているのがOhio Playersのメンバーって、どう考えても聴いてみたいですしねぇ。
Commented
by
show-zono at 2004-04-25 18:37
そうなんです。Leonの「プライベート・プロジェクト」っていう
ところが妙にそそって、好奇心を余計にかりたてるんです。 確かに時期的には非常に微妙ですが、Leonの息のかかったものに は触れておきたいという気持は私もSugar_pepperさんも同じでは ないでしょうか。 またメンバーが演奏スキルの高いOhio Playersの3人ということで余計に聴いてみたいと思わせるんです。
Commented
by
airplay
at 2004-05-09 23:34
x
show-zonoさん
Leon Wareにトラバらせていだたきました。 ソウルファンのみなさまがこのアルバムに対して どういう評価をなさっているのかが 大変興味のある所なのですが、 AOR的にはやっぱりこのアルバムなのかなって思ってます。
Commented
by
香菜
at 2004-12-17 20:56
x
ご無沙汰で、今頃、こんなところに、失礼します<(_ _*)>
> Con Funk Shun「You Make Me Wanna Love Again」 > CD化されていない為 ですが、知っておられたらすみませんが 「Brio Presents Soul Bar」というSERIESの Compilationのなかの 「Brio Presents Soul Bar Midnight Break」の5曲目に 「You Make Me Wanna Love Again」が収録されてますので この曲だけでしたら、CDで聴けますよ(音は余り良くないけど) ↑どうでもいい 書き込みですみません(蘊蓄語れませんで(汗) 先日、クリスマスのSELECTION を作ったときに My Libraryから発掘しました(^^*) 今年のXmas SELECTION には show-zonoさんの記事で書かれていた お勧めのCDから選曲して2曲入れました。 いよいよ、次回が最後になりましたね コメントできるかどうかは判りませんが 記事は読ませて頂きますね(^^*)
Commented
by
show-zono at 2004-12-18 22:32
香菜さん、ご無沙汰しております。また随分と古いポストから入っていらっしゃいましたね。(笑)
「You Make Me Wanna Love Again」が単体でCD化されていたんですね。知りませんでした。なにしろSoul Musicに関しては一般的にはオーソリティと呼ばれてる方々ですが、実はそうでもない方々のチョイス・アルバムでしたので、ノーマークでした。(笑)
|
ファン申請 |
||