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音楽の媒体はこの20年で、アナログのレコードからデジタルのCDへ、そして近年は音楽ダウンロードへと大きく変化した。
当然、その媒体だけではなくモジュールについても、大きなステレオからからミニコンポ、ウォークマンへ、ipodやmp3プレイヤー、携帯電話へと大きく変化した。 一般の方々は、その利便性を追求してその時代の潮流に呑み込まれればよい。 ただ我々Soul Musicを深く愛する人間たちはそうはいかないのである。 まず、音楽ダウンロードで提供される楽曲リストのなかには、我々の本当に愛する楽曲がない。 また近年CD化が進んだとはいえ、いまだにアナログのレコードに頼らなければならないのがSoul Musicリスナーの現実である。 こうして書くと、Soul Musicリスナーが時代の潮流に取り残されたような感さえするが、実はアナログのレコードには人知れない大きなアドバンテージがある。 これを見て欲しい。 以前この「Soul Musicを聴こう」でもご紹介したMarvin Gayeの「Here My Dear (1978)」のアナログのレコードジャケットである。 (左下は同タイトルのCD) このアルバムはCDでは普通だが、レコードでは実は2枚組なのである。 この2枚組のジャケットを開いてみると、このような壮絶な絵画が現れる。 Marvinと思われる左の男性の手から、Annaと思われる右の女性にこの作品と思われるレコードが渡される絵である。 これを開き、このサイズのこの絵画を眺めながら触れる「Here My Dear」には、CDをはるかに圧倒する重量感がある。 以前にも書いたが、70年代のSoul Musicのレコードジャケットは、個性的で美しいものが多く、なおかつ芸術性が非常に高い。 例えば、Earth Wind & Fireの「Faces (1980)」。 これも2枚組のジャケットであるが、開いてみると、 リリース当時の時代感が反映された多くの写真に彩られたブックレットのようになっている。このような視覚的な演出がまさにMaurice Whiteらしいインテリジェンスを感じさせる。 これを眺めながら触れる「Faces」は、CDでは味わえないその時代の息吹、リアリティをまざまざと感じさせる。 当時の長岡秀星によるアルバムジャケットの素晴らしさは、EW&Fの当時の作品たちをレコードで持っておきたいという気持ちにさせる。 当時のアーティストたちは音楽と同様に、これらのアルバムジャケットも大きな表現の手段として活用していた。 再版のCDのほとんどがそれらを割愛しているが、正直もったいないと思う。 以前あるブロガーの方が、「Marvin Gayeの「What’s Goin’ On (1973)」はA面からB面に移るときのリスナーが裏返すための「間」を想定して作られているのではないか。」とおっしゃっていたが、私も全くの同感である。 アナログレコードでしか感じえない奥深さというものを当時の作品たちは多く含んでいるのだと思う。 相撲も実際に取り組みを行う前に、四股を踏み、力水をつけ、清めの塩をまいてから土俵入りをする。 土俵という場所が神聖な場所であるがゆえの「所作」というものが存在する。 Soul Musicに触れるために、ジャケットからほどき、レコード盤の埃を除き、ターンテーブルに乗せる。 こういう「所作」さえ面倒くさいとおっしゃるかたは、Soul Musicに触れるのをやめて、音楽ダウンロードで倖田來未でも聴いているのが丁度良いと思います。 それでは、これいきますか。 今日はB面から。 いい加減擦り切れてきたよ、このアルバム。 擦り切れないCDに替えようか・・。 このでかいステレオも、正直東京の住宅事情にあわないね。 Soul Musicと真剣に向き合うのはわりと大変である。 次回は、Maxwellの「Whenever Wherever Whatever (1996)」についてご紹介いたします。
by show-zono
| 2006-09-15 23:05
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Comments(15)
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sarucof at 2006-09-15 23:33
レコードプレーヤー欲しいですねえ。レコード置いてある店で
SteivieのInnnervision聴いたら、良かったですよ。 肌触り感というか音に温もりがあるんですよね。最近、 Jazzも聴くので次のボーナスで買おうかと考えてます。 まあ、それなりのもの買わないと損しそうなので。ただ 部屋もスピーカーも小さいので限界はあると思いますが。 次は「Whenever Whenever Whenever」ですか。 いいですねえ。
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qoo
at 2006-09-15 23:54
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Show-Zonoさん、こんばんは。
再開後初めてコメントします。 確かに最近の音楽媒体は手軽になってますね。 しかし、ジャケットを眺めたり、飾ったりする楽しみはやはりLPでしか味わえないもの。 また、CDとは違いダイナミックレンジの広さが同じ曲を聴いても違って聴こえるんですよね。 たしかその昔、スピーカーコーンがむき出しのスピーカーを使っていた頃、FunkadelicのMargot Brainを聴いていると、ウーファーが5Hzくらいの振動をしていたのを思いだしました。アナログ盤には人間が聴こえないくらいの周波数まで刻まれているんだと関心してしまいました。 ちなみに、我が家もでかいステレオです。狭い家の中で本当に邪魔になるんですが手放せませんね〜
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la_spellbound at 2006-09-16 11:44
確かに「ダウンロードできます!」と言われても、「したいものがありません!」と言い返してしまいますね。(笑)
自分が聴いている音楽はおそらく20年、30年後も聴いているでしょう。 だとすると、確実に残しておける音源で持っていたいのでCDを選びます。CD化されていないものはアナログを。加えてジャケットに別の価値を見出すとやはりアナログを... 結構大変ですよね。 結局のところ、捉え方なのでしょうね。 心の中のどの場所に音楽を置くか。 それに尽きるような気がします。
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show-zono at 2006-09-16 20:08
サルコフさん、コメントありがとうございます。
写真でもおわかりかとおもいますが、私の愛用しているステレオはかなりの年期物です(笑)。 アンプやチューナーは私が中学生のときに一家で購入したものを実家から取り寄せてます。スピーカーもウーハーが2連装の化け物のような古いものです。ターンテーブルもかなり昔のビクターのものです。オーディオに詳しい会社の先輩にいわせるとかなり良い装備らしいです(笑)。 これが、なぜか70年代Soul Musicとのマッチングが良くて、同じ曲をミニコンポなどで聴くと侘しさを感じるほどです。 現代のターンテーブルはDJ仕様のものが多いですから、性能も格段に向上しているかもしれません。ボーナスとはいわずにもう買われては? Jazzを聴かれるならなおさらですよ。(笑)
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show-zono at 2006-09-16 20:19
qooさん、大変ご無沙汰しております。コメントありがとうございます。
当時のレコーディングでは、こういう再生環境を想定していたはずです。ですから、当時の作品たちの聴こえ方が違うのは当然のことかもしれません。 Funkadelicですか。Bootsy Collinsのベースのうねりは最新のコンパクトなウーハーでは細かいニュアンスが伝わらないかもしれませんね。 0or1のデジタルと0to1のアナログの違いはかなり大きいと思っています。深い音楽に触れようとするならばなおさらです。 ただ本当にでかいんですよ(笑)。知人が家に来ると、ウチのスピーカーを皆まじまじと見るんですよ(笑)。
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show-zono at 2006-09-16 20:32
la_spellboundさん、コメントありがとうございます。
確かにレコードとCDの使い分けは必要ですね。qooさんのところでも書きましたが、やはり録音された時代に合わせるとなぜかしっくりくるようです。 あと、やはりジャケットの美しいものはレコードで持っていたいと思いますね。極端なことをいえばCD化されているからジャケットだけでも欲しいと思わせるものもあるほどです。 Minnie Ripertonの「Inside My Love」などは、このでかいウーハーで聴くと正直凄いです。Crusadersのベースのうねりの余韻がしばらく続いて動けなくなってしまいます。 そして要はおっしゃるとおり「捉え方」です。なにもこのポストはステレオ自慢の巻ではありません。所作というか愛着というかそういうものの大切さについて一度書いてみたかったので。 それでは、次回は1年越しの約束を果たさせていただきます。
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POP_ID at 2006-09-19 01:28
「思い出の古いレコード」
「思い出の古いCD」 「思い出の古いダウンロードミュージック(DLM)」????????? そうだ!そうなのだ! DLMは僕らと共に歳を取ってはくれないのだ! それは写真もそうで、 今は100年プリントとかもあるけど、 それでも日光に当ててたら焼けるし、 で、デジカメで撮った写真は永遠に劣化しないから、 僕らを老へと追いやってしまう。 ♪写真になっちゃえば私が古くなるじゃない? そんな歌も思い出しつつ。 人生の伴侶としてのレコード。 そんな価値観と出会うことすら許されない平成のキッズたちに、 僕らは何を伝えよう?
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kingdow at 2006-09-19 16:57
亀コメントですいません。私は流されやすいタイプなんで、近頃では音楽を聞くのはもっぱらiPodが中心です。媒体の変化と共に付加価値的な部分がどんどん失われていくのは残念なことですが、私は音楽そのものが持つ力は、メディアの変化などでは決して損なわれることが無いと信じています。
それにポケットの中に自分の愛する曲たちが全て詰まっているというのはちょっと不思議な感じですが、でも決して悪くないものです。
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show-zono at 2006-09-20 22:02
POP_IDさん、コメントありがとうございます。
こんな話をするようになったのは年齢のせいなのかもしれませんが、私自身はIT企業に勤務してますし、私の会社もDLMを提供しています。決して使いこなせないからというわけではありませんので念の為(笑)。 「写真になっちゃえば私が古くなるじゃない・・」 若き天才の言葉は言わずもがなですね。 Soul Music自体が実はサブカルチャーであり、産業としての音楽のメインストリームを外れてしまっているので、いまだにCD化されていないものが多くあったり、当然DLMのリストにはないものが圧倒的に多いのです。 内容が素晴らしいのに、こういう媒体の変化の流れで淘汰されてしまうことがないよう、我々は踏みとどまらざるを得ないという事実があります。
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show-zono at 2006-09-20 22:11
kingdowさん、ご無沙汰しております。コメントありがとうございます。亀コメントよりもこの亀レスをお許しください。
私は決して文明の進化を嘆いているわけではありません(笑)。実は昨日まで札幌におりまして、ススキノのソウルバーに立ち寄りましたが、プレイされる曲の9割がアナログレコードでした。 メディアの変化で淘汰されなければ良いのですが、なにぶんSoul Music自体がそこまでメジャーなジャンルかというと実はそうではないようです。 ipodやmp3プレイヤーで持ち歩くにはちょっと重量がありすぎるかもしれません。私にとってのSoul Musicは。
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POP_ID at 2006-09-20 23:06
僕は信じないもん!!(笑)
10代の頃、このくらい大きなスピーカーを倒してイス代わりにしていました。ごめんなさい(笑
さすがにDLは手軽なので使いますが、これは手元に置きたいと思うものはやっぱりCDです。 アナログのレコードって重さや熱に弱くてすぐにたわむし、傷つきやすいし、カビ生えるし、場所とるし… 大切にいたわらなくちゃならないから、アナログ好きな人って本当に音楽が好きな人なのだと思います。 それから、Marvinのアルバムジャケットで思ったのですが、これは始めからこのサイズを想定してデザインされているんですよね。だから、手の大きさがほとんど実物大でジャケットを持つ自分の手もデザインの一部となるわけで。そういうことを考えすに単にCDサイズに縮小してしまったら、カバーをデザインした人やアーティストに失礼じゃないのって思います。
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show-zono at 2006-09-22 21:54
リサさん、コメントありがとうございます。
なにかカタチにして手元において置きたいというのはありますよね。純粋に音楽だけでよいという場合はDLでも良いのですが、アナログレコードの場合はアルバムジャケットが大きな付加価値になります。特に70年代Soul Musicのアルバムジャケットの場合は芸術性が高いですから、相当な付加価値ですね。 おっしゃるとおり本文中の「Here My Dear」のアルバムジャケットの中開きの絵画は、LPの場合実際相当な迫力があります。見ているとなんだか恐くなるほどです。CDはかなり縮小されたものが挿入されていますが、そういう意味ではかなりもったいないですし残念です。 これは確かに失礼にあたりますね。(笑)
お久しぶりです。再開しているのを知りませんでした。
レコードとCDの話は、ジャズファンでも同じですね。多分クラシックファンでも同じではないですか。 最近は本当にCDばかりになってしまいました。 時々レコードと思うと、プレーヤーの上には沢山のものが乗ってしまっています。
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show-zono at 2006-10-09 21:49
maida01さん、ご無沙汰しております。喜びと共に強い懐かしさを感じます。(笑)
媒体がサイズダウンしても、内容がサイズダウンしなければ、問題ないのです。結局のところ媒体をとりあげて、内容のサイズダウンや軽薄化について語りたかったのかもしれません。 これからも以前のように、お越しいただけると嬉しいです。
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