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1975年1月11日。
ニューヨークの7番街、57通りに鎮座する音楽の殿堂、 Carnegie Hall(カーネギー・ホール)のステージにこの黒人ギタリストは立っていた。 Artur Rubinstein(アルトゥール・ルービンシュタイン)というクラシックの世界では20世紀を代表するピアニストが、ある日ニューヨークの街で、 「カーネギー・ホールへはどうやって行けばいいんですか?」と道を尋ねられたそうだが、ルービンシュタインは、「死ぬほど練習しなさい」と答えたという逸話がある。 カーネギー・ホールとはそういう場所である。 私は、これほどまでに「妖気」に満ちた子守唄を聴いたことがない。 この時、カーネギーでGeorge Benson(ジョージ・ベンソン)によって演じられたジャズのスタンダードである「Summer Time」は、本来は子守唄なのである。 ただこのBensonによる「Summer Time」は、「妖気」を帯びた屈折した美しさを強烈に放っていた。 音楽家は満たされないほど美しい音色を放つようだが、この頃のBensonはギタリストとしてのテクニック以外の「何か」を確実に持っていた。 そして「何か」に飢えていたのだと思う。 現代のBensonに、この時を同じように演奏してくれとお願いしたとしても、それは無理なことなのだと思う。 時代が流れるというのは、残念ながらそういうことなのである。 この時のBensonは、この「Summer Time」で 耳の肥えたカーネギー・ホールの観客を、そのギター・テクニックとスキャットをもって力で強引にねじ伏せた後に、 Yes with daddy and mummy standing by・・ 「パパとママがそばにいるから・・・恐くないよ・・」 ここでBensonにそういわれるほど、なんだか鳥肌が立つほど恐くなり、 そして、 don't you cry・・ 「よしよし・・泣くんじゃない・・」 これで泣き止んで眠るのは・・ 悪魔の子くらいだろうか。 George Bensonがカーネギーで演奏した「Summer Time」は、 子守唄としての実際のご使用は、不適当ですので お控えくださるようお願いいたします。 次回は、Adriana Evansについてご紹介いたします。
by show-zono
| 2007-03-24 23:59
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Comments(8)
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qoo
at 2007-03-25 00:41
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ご無沙汰しております。
このSummertimeは様々なアーティストが演奏してますがGeorge Bensonのプレイは最高に好きです。 ただ、私が持っているのは「It's Uptown」というアルバムのスタジオ録音盤なんです。 Live盤とはアレンジもかなり違うんでしょうね。 近いうちに探して聴いてみます。
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show-zonoサン、コンバンワー*
George Benson、私が初めて買ったのは、20/20のアルバムでした。 ライトなファンキーさに、ご機嫌になったなっと思い出しました。 カーネギー・ホールで、ベンソンの曲なんて、聴いてみたいですねー。 この方もこの時期や、初夏に聴く絶好の爽快感をかんじます。 ベンソンさんのギターは、弦がまるで産声をあげるように滑らかに綺麗ですね。show-zonoさんがお聴きになった妖気な子守唄は、さぞかし、素敵だったのでしょうねぇ。。
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show-zono at 2007-03-25 23:05
qooさん、ご無沙汰しております。コメントありがとうございます。
「It's Uptown (1966)」に収録されている「Summertime」とは、おっしゃるとおり、アレンジ・演奏方法共にかなり違います。 是非、こちらのほうの「Summertime」にも触れてみてください。 ここでいう「妖気」の意味がおわかりいただけるのではないでしょうか。
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show-zono at 2007-03-25 23:11
JJさん、コメントありがとうございます。
「20/20」は1984年の作品で、George Bensonがブラコン路線に進路変更してからの作品ですね。 それ以降は、彼の中からこの「妖気」が姿を潜めてしまいました。 JJさんがおっしゃる「ライトなファンキーさ」がブラコン路線を走っていた80年代のBensonの大きな特徴ですね。 整形手術で、「20/20」のジャケットで突然目がパッチリに驚いた方も多かったのではないでしょうか。(笑)
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(*^^)香菜(^^*)
at 2007-03-27 02:56
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ホントは Musiquarium のほうの
「Take A Chance」の記事で 反応しようと 思ったフレーズがあったのですが (どこの箇所かは判るかな?(笑) 長文になりそうで悩んでたら タイミングを逃してしまってコメントできずで ごめんなさい<(_ _*)> こちらでは、他の方のコメントがついてたので σ(^^*)のあふぉなコメントは控えてたのですが >これで泣き止んで眠るのは・・悪魔の子くらいだろうか。 これに反応(笑) 同じものかどうかは判りませんが Anthology に収録のSummertime(Wiht Hubert Laws) [Live]を聴いてみました 確かに子守歌には向かないですね このベスト盤の対訳を見ると、 親が子供を守るような歌詞になってました。 話が少しそれますが、σ(^^*)の記事に コメントして下さったことにも繋がりますが この記事を読んだときに思ったことと showさんがコメントしてくださったことが 同じようなことだったのが不思議でした。 当たり前のことですが子供時代に親、兄姉や 環境を通して聴いた、音楽って凄い影響力ですね 今更ながらにして、そのことを思いしりました(笑) σ(^^*)は実際の使用に、不適当な曲を聴いて 育ってしまったかも(爆)
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show-zono at 2007-03-27 22:52
香菜さん、コメントありがとうございます。
Bensonの「Anthology」というコンピレイションを聴いたことがありませんので定かではありませんが、Hubert Lawsが参加しているのであれば間違いありません。カーネギー・ホールで75年に録音されたものでしょう。この2人はこの頃CTIレーベルでしたね。 「Summertime」はもともとフォーク・オペラの一幕で使われた子守唄なんです。ですから他の一般的な「Summertime」はもっと軽やかですね。 しかしBensonのこれは、イントロからしてすでになんだか怖いですね(笑)。Hubert Lawsのフルートがまた輪をかけて怖い(笑)。そしてねっとりとしていて暗い。まあ、カーネギーの観客はこのくらいしないと納得しないのかもしれませんね。 香菜さんが幼き頃に聴いたであろうシューベルトの「魔王」(←勝手にそう思っている)に通ずるものがありますね。(笑)
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qoo
at 2007-03-29 00:04
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Summertime聴きました。it's Uptownのアレンジとは別物ですね。
10年ほど前にGeorge Bensonのステージを観たときのことを思い出しました。 ブラコン路線に入る前の演奏がやはりいいですね。 魂が感じられる気がします。
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show-zono at 2007-03-29 00:20
qooさん、再度のコメントありがとうございます。
カーネギー・ホールでの「Summertime」に触れられましたか。 「it's Uptown」でのアレンジは軽快ですが、この「妖気」ともいえる雰囲気を味わってしまったのですね。 おっしゃるっとおり深い「魂」のような存在を強く感じます。この「Summertime」に慣れてしまうと、他のアーティストのものが軽く感じるようになってしまうのが不思議です。
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